暮らしを支える“縁の下の力持ち”。日常生活で身近な太陽工機の技術

研削盤という機械を日常生活で見ることはありませんが、研削盤によって作られたもの、また作られた部品が組み込まれたものは、日常の風景の中にたくさんあります。たとえば、街を走る自動車、空を飛ぶ航空機、風をとらえる風力発電の装置。さらに、研削盤で作られた部品を組み込んだ機械によって作られたもの、携帯電話や電化製品などは、もっと身近にたくさんあります。太陽工機のロゴを目にすることはできませんが、実は、多くのシーンで、その技術は人々の暮らしを支えているのです。

自動車もスマホもロボットも。太陽工機が支える日常

自動車、航空機、建設機械、産業機械、工作機械、風力発電、半導体、ロボットなど様々な業界で、太陽工機の研削盤がものづくりを支えています。

その代表的なものが自動車です。まず、トランスミッションやエンジンの部品を加工するための研削盤を自動車業界に納入。さらに、車1台を組み上げるのに必要とされる約3万点のパーツを加工する工作機械の業界にも多種多様な研削盤を納入。間接的とはいえ、二つのルートで、自動車に深く関わっているのです。将来的にEV化が進めば、静粛性を上げるため、また、モーターの小型化を図るためなど、今とは異なるニーズが生まれ、新たな関係が築けるのではないかと予想しています。

成長産業として注目を集めている半導体、ロボット業界でも私たちの研削盤が使われています。スマホやパソコンなど電子製品に搭載され、機器制御の役割を担う半導体については、その製造過程で必要な加工のために研削盤が使われています。ロボット業界では、主に産業用ロボット分野に出荷しています。ロボットアームが人の腕のように可動域を広め、自由度の高い作業をするために必要な「関節」部品の加工を研削盤が担っているのです。

このように、直接目で見ることはできませんが、研削盤は、間接的に、けれど幅広く生活を支え、便利さや豊かさを生み出しています。

世界のトップメーカーへも供給。海外売上比率の拡大を目指す

目を世界に転じてみましょう。現在の売上の海外比率は約30%であり、航空機メーカー、大手ベアリングメーカーを始めとして、工作機械や自動車業界へ研削盤を供給しています。航空機では、アメリカとイギリスのトップメーカーにジェットエンジン部品の加工を行う立形研削盤を提供していますが、その中には、1年間に1台ずつ、合計8台の大型機を納品するほど信頼していただいているメーカーもあります。知名度や企業規模でなく、技術を評価する姿勢に、大きな手ごたえと可能性を感じています。地域的には、特にヨーロッパに注目しています。ここでは自動車産業、工作機械産業が盛んで、私たちが日本で培った技術やノウハウを水平展開できる環境がそろっています。

とはいえ、海外での太陽工機の認知度はまだまだ低く、その市場はほぼ手つかずです。現在、ドイツ・アメリカ・中国の拠点を強化し、国際的な展示会への積極的な出展によりブランドの浸透を図るなど、市場の開拓を進めています。グループ会社であるDMG森精機は世界全体に販売・サービスネットワークを構築していますので、連携することで海外比率50％をめざしていきます。

社会の課題を解決し未来へ

少子高齢化、人口減少を背景とする労働力不足は、ワークライフバランスの推進と相まって、労働環境に様々な影響を与えています。製造現場では、自動化・省力化が急務であり、関連市場にも動きが生まれています。ロボット業界からの受注増が予想されますが、それへの対応とは別に、私たちから製造業のお客様に向けて、自動化設備を付加した研削盤の提案を積極的に行いたいと思います。いわば、研削盤のスマート化による課題解決サポートです。

大型機では、自動パレット交換システムを備えたシリーズ、あるいは、自動的に加工物の位置合わせできるシステムをオプションとして付けられるシリーズを展開し、生産性と作業性の向上を叶えます。小型機では、機械の間口をとらない立形研削盤に、例えば前工程から加工物を供給、後工程への排出を行うロボットを付けた自動機を開発し、省人化に対応します。さらに長尺ワークの加工のための横型機も揃え、自動化にも対応しています。お客様の企業規模に関わらず、それぞれの企業により異なる環境や課題に合った提案ができるよう、製品ラインナップを整え、オプションの選択肢も拡充していきます。製造現場を支え、お客様とともに成長し、社会に貢献する企業として、太陽工機はこれからも歩んでいきます。

プロフィール

※役職・内容は2020年9月取材当時のものです。